2011年10月24日月曜日

ドラマCDの収録1

さて、こっそりレポ。
ドラマCDがでたから収録があったわけです。なので、収録のレポートでもしようかと思うんですが……ぶっちゃけどこまで書いていいかよくわからんのです。声優さんの業界はきっと出版のそれよりもずっと大変そうですし。
なので、印象の話をしつつ、適度にレポしますよ。

まずは、勇者:福山潤さん。
福山さんと対談という名のインタビューもしてきました(ふはは。そこは空気を読んでインタビューに徹してきたんですよ)。これ、なかなか刺激的なお話がたくさん聞けました。
福山さんは橙乃より若いんですが、プロでした。
いろんな話を聞いたのですが、一番胸に残ったのは「先輩と後輩がいる」ってことなんですね。福山さんよりもずっと年上でキャリアの長い先輩がいる。今回のドラマCDで言えば永井一郎さんなどは大先輩に当たるそうです。その一方で、デビューから間もないような方も参加している。福山さんはその中間的な年令で、年齢的にも最前線で、今回の現場では主役を演じる。その自負と責任を言葉から強く感じました。
言語化するとどんどん拡散して行ってしまうのですが、あえていえば継承、ということになるのだと思います。先輩は素晴らしい技術も実力ももっているけれど、それは永遠じゃない。継ぐべきを継いで、なおのちの世代に渡さなきゃならない。
言葉にするとそういうことになるのでしょうが、そのためには先達に挑戦して戦って行かなきゃいけない。収録ブースの中で食いついていかなきゃいけない。そして後輩に食いつかれるにたる者にならなければいけない。
物語とかで「継承」をテーマにすると、どうしても師から弟子へみたいなドラマパターンになるんですが、この「間に挟まれる年代」ってのが、本当は最もエキサイティングなんだとはっきり感じました。
今回の収録にあたって、何人かの声優さんのお話を聞くことが出来ました(原作者の役得ですね。沢山取材してしまいました)。
お話を聞いた方が、男性の声優さんばっかりだったのもあるのですが、この上下で戦ってゆかなければならないという使命感はどの方からも強く感じました。もちろん、それ以上に演じることを愛していらっしゃるのも十二分に伝わって来ましたが、戦ってゆくということ、継承するということ、姿勢を見せるということはどなたも強い意識があったようでした。
「声優さんの戦場」は想像しているよりも、ずっと骨太で、激しくて、男らしい場所でした。格好良かったですよ!

そして、魔王:小清水亜美さん。
……えーっと、魔王です。
なんの説明にもなってないよ!!
ちょっと「まおゆう魔王勇者 エピソード1 楡の国の女魔法使い」の話をすると、ディスク2枚組のこのセット、1枚目はほとんど勇者×魔王の掛け合いなんですね。そう、最初の勇者と魔王の出会いのシーンです。
読まれた方はわかると思うのですが、もう、あそこは魔王山盛りなんです。説明セリフは長いし、とても難しいです。当然ながら耳よりも目のほうが識別分解能が高いわけですね。同音異義語であっても、字を見れば判断できる。でも、ドラマCDでは耳で理解してもらわなければならない。この差異をうめるために、脚本田沢先生と現場の声優さんが多くの努力をすることになるのです。
声優さんは、やっぱりすごいです。
セリフとして「敵陣にひとり乗り込み、敵の王の命を奪う。――それは暗殺者の仕事じゃないのかい?」というものがあったとして、その言葉の意味はまさにセリフのとおりなのですが、そこに篭められた気持ちは「勇者のことが大好き。おねがいだから傷つかないで欲しい」だったりするわけです。その多重レイヤを聞いてる人に伝達できるって、すごいことですよね。
その「声優さんとしての重荷」をいきなりどーんとお願いすることになったのが、魔王:小清水さんでした。もちろん小清水さんはその期待にバッチリ応えて下さいました。凛々しくて可愛らしい魔王様ですよ。
一回流しで録音したあとに、ブースの中で福山さんと相談していたのを覚えています。こうくるならここはこうしようか? じゃあこっちはこうします。
なんて相談で、みるみるうちに、演技が磨かれてゆくのです。たかが数時間の収録の間にみるみるうちに周囲と化学変化をして、アジャストして、自分の立ち位置を確立させてゆくのは、ちょっとした魔法のようでした。
あの台本風の掛け合いでは、書いているときにもまさにそうなのですが、ある登場人物が格好良い、可愛い、燃える、萌える、泣けるとき、そこには常に相方がいるんです。
(軍人子弟に鉄国少尉、商人子弟に従僕がついた理由がそれです。登場人物が倍増した原因ですね)
だから、魔王が可愛い時には勇者を聞いて欲しいです。
勇者が可愛い時には魔王を聞いて欲しいです。
そこには必ず相方の絶妙なフォローが入っています。外伝ep1のドラマCDもそうですが、5巻のドラマCDもスゴイです(こっちは、雪あかりの魔王執務室で、勇者と魔王がケンカしますよw この魔王様は本当に必聴です)。

なんて具合に、収録現場からのレポート風記憶記事でした。
得ることの多い体験でした。うーん。いいのかな、まおゆう丸儲けって感じの経験をしております。

2011年10月23日日曜日

献本到着!

というわけで「まおゆう魔王勇者 エピソード1 楡の国の女魔法使い」が到着しましたなり。どーん。今回は薄手の外伝+トールサイズのCDBOXなので、全体としては今までの「まおゆう」シリーズと似たような大きさです。それがダンボール箱に入って到着したので、日がくれないうちに撮影会しました。
出窓の出っ張りで撮影したので、光線微妙ですが容赦されよ。
今回もtoi8さんイラストはすばらしいですよ。
表紙の爺さん格好良すぎです。あんなネタに走らなければモテモテなのに! っていうか、本編でもこっそりもててたよね。看護婦さんとかさ。
あとは、CDトールケースの魔王様とメイド長ね。なんか、すごく優しい。これ、よくわからないけれど、視点人物は勇者だと思うのです。ドアを開いた勇者を四人が見ていると思うと、ほろりとします。おまえ童貞やってる場合じゃないよ>勇者。

まぁ、いずれにせよドーンと到着したので、一安心です。あとは月末10月31日に店頭に並ぶのを待つばかりです。早いところでは(秋葉原とか神保町とか)28日辺りにはもう入手可能になるかもしれません。アーリーゲッターのみなさんは覗いてみるのもよいかもしれませんね。
そういえば、Amazonほか全国書店様でも予約していただけた方、ほんとうに有り難うございます。結構な数の予約があったと聞いております。感謝。もとから、CD付き書籍なので、発行部数の調整が難しいのです。みなさんのお手元に届けば幸いです。

#しかし、Amazonの「まおゆう魔王勇者 エピソード1 楡の国の女魔法使い」に「お姉さん」と「たった一晩で」タグをつけた方は生徒指導室ですよ。そこでエロネタ小話をしましょう。
外伝の方について内容をこっそり抜粋すると……。

 伝説の賢者の教えを受けた二十四音呪と無敵の技を操る、勇者。
 見えない矢をもって幾千の敵を葬り去った黒点の射手、弓兵。
 ふたりの英雄は暴虐なる魔族の侵略に立ち上がり、聖王都より旅だった。勇者たちはまず、中央諸国をめぐり、各地を騒がす魔物や呪いの源を退治して回った。それらは中央諸国を魔族の影響から守るためでもあり、また勇者たち自身が力をつけるための旅であった。
 猪首の国では凶猛なる魔物を倒し、山の国では鉱山に救った怪異を退ける。湖の国では忘れ去られた魔境の呪いを払い、可憐なる姿に騎士の誓いと教会の御業を秘めた英雄、女騎士を三人目の仲間とした。
 魔物を倒し魔族を打ち破る勇者は人々の希望だった。それゆえ、とうの勇者たちにとって、どう響くのか、人々は気づきもせず、歓喜の声援を送り続けたのだった。
 かくて旅を続ける一行は楡の国へと到達する。
 そしてこの地には、勇者の命を狙うひとりの少女が待ち受けていたのだった。


女魔法使い「ペースト状のひき肉になって、勇者1型」
勇者「断る!!」

――こんな感じであります。
それにくわえて、ギガ盛り級のCD二枚付き。著者が言うのもなんだけど、エンターブレインは少しおかしい。学生街の食堂のオヤジ的。かき揚げ丼にかき揚げ2枚追加で乗っけたらトリプルかき揚げ丼になったでぇ!(どやぁ。みたいな。ドラマCD界の価格破壊やぁ、ですよ、これ。

2011年10月22日土曜日

まおゆう魔王勇者 エピソード1 楡の国の女魔法使い

「まおゆう魔王勇者 エピソード1 楡の国の女魔法使い」

まであと10日を切りました。ので、再び告知であります。
ものは←これ!
女魔法使いと勇者の出会いを描いたまおゆう外伝「楡の国の女魔法使い」と、そこにさらにドラマCD2枚をセットしたアイテム。お値段2,625円(税込)と、けっこうリーズナブル。というのもドラマCDは普通3千円くらいするからなのですが……。「本だけでいいぞ!」という人にはごめんなさいであります。

さてお問い合わせの多かった特典ペーパーです。 当初はAmazonしか発表できていなかったんですが、なぜかというとギリギリまでtoi8先生が描いてくれたからです! toi8先生に感謝! これはアニメイトさんですね。
たわわなお胸が、魅力的っていうか。魔王様、そこのホック外すのはテクなの天然なの? (正解:留まらなかった)
 これはAmazonさんでついてくる女魔法使い。今回の主役です。
この表情は銀の女魔法使いかな。「まおゆう」のなかで、可愛く描いてあげたくて、でも自分の筆の力不足のために書ききれなかった娘です。最初の外伝で彼女を書いてあげられてよかった。
とても誇り高い娘です。女騎士のように、勇者の隣に立てなくなっても、その助けとなることを願うほど。
 こちらはメロンブックスさんでついてくる女騎士。toi8さんの描く女騎士は、なんか本当に洋画に出てくる娘さんみたい。瞳の色の薄さが伝わってきます。美人さんですよね。
彼女の外伝もいずれ書いてあげたいものです。
声優をつとめてくださったのは沢城みゆきさん。格好良かったですよ!
 メイド姉妹はとらのあなさん。
このふたりが、まおゆうを書くきっかけでトリガーでした。妹かわいい! アイドル! 姉の方はネタバレになるのでノーコメント。でもこの娘が世界は悪くない場所だって言い切ってくれたよね。
メイド姉は戸松遥さん。メイド妹は東山奈央さん。どちらもキュート。
ふたりのかけあいの本番は次のドラマCDですけど。
 こちらは、こっそり戦闘シーン。
女魔法使いvs勇者。ゲーマーズさんにて配布予定です。
あれ、服装おかしくない? の謎は外伝で。おしむらくは、女魔法使いの出番は、ドラマCDにはないことなのですよね。
無口で、大食いで、いつも寝てて、時たま起きてもぼんやりしてて、口を開くと意味不明なことばっかり言って、けっこう金にがめつくて。こうやって書くとちっともかわいくないんですけど、でも不思議と良い娘です。

カラーです。こちらもゲーマーズさんにて配布予定。絵は既存のものですが、立て看板を見てない人には珍しいかもしれません。
勇者を福山潤さん、魔王を小清水亜美さんが演じてくれました。
ここだけのはなし、CD一枚まるっとふたりで言い合っております。声優バトル状態の掛け合いです。
「この我のものとなれ勇者よ!」「断るっ!」
これらペーパーは、専門店さんにおねがいしたものなので、実際ついてくるかどうかは店頭でご確認下さい。「全部欲しいよ!」というかたは、ごめんなさい、今のところ店舗配布だけの予定です。
また上記に加えてえびてん通販では、ペーパーこそ付きませんが「エビテン限定特典ボイスデータディスク」がついてきます。着信音にしたりして下さい(≧▽≦)
ともあれ、発売まで@10日をきりました! ご期待ください。声の世界でも「まおゆう」は「まおゆう」ですよ! 応援してくださったみなさんへの恩返し第一弾です。

2011年10月14日金曜日

まおゆう魔王勇者 5 お知らせ

さてtwitterでの発表から一夜明けて、Amazonさんにも登録されました。
まおゆう魔王勇者 5あの丘の向こうに 特装版

長らくおまたせした「まおゆう5」のお知らせでございます。
もちろん原稿は上がっていたのですが、原稿さえ上がれば本が完成するかといえば、そうはいかないのが出版なのでござる。色いろF田さんにはご苦労をかけているのでござる。

で、まずはミニマムな情報から

まおゆう魔王勇者 5あの丘の向こうに 通常版
2012/01/21発売 1260円(税込)

となります。いつもどおりの安心データ。しかし、おいおい「通常版」ってなんだよと突っ込みをしていただいた諸兄、その疑問はごもっともでござる。今回はドラマCD一枚がくっついた「特装版」がでます。今現在Amazonで予約がはじまっているのは「特装版」ですね。
「特装版」はCDがくっつく商品特性上、ちょっと早めに作らなければなりません。CDをプレスするのは海外なので。発売は来年1月ですが、もはや作りはじめている&予約開始はそんなわけです。
「俺は本だけでいいや」という諸兄は、通常版を書店でお買い求めになれるかと思います。もう少々お待ちください。

んで。せっかくなので、「特装版」についての情報を。

まおゆう魔王勇者 5あの丘の向こうに 特装版
2012/01/21発売 1890円(税込)

「まおゆう5」にドラマCD一枚をくわえたアイテムです。このドラマCDは「まおゆう魔王勇者 エピソード1 楡の国の女魔法使い」に付属するドラマCD二枚に続く三枚目。内容的にも続きとなっていますよ。勇者×魔王の雪あかりダンスシーンや、女騎士×南氷将軍の一騎打ちシーンが収録される予定です。

ご期待のキャストはこんな感じ!

魔王:小清水亜美
勇者:福山 潤
メイド長:斎藤千和
メイド姉:戸松 遥
メイド妹:東山奈央
女騎士:沢城みゆき
冬寂王:平川大輔
執事:銀河万丈
白夜王:東地宏樹
司令官/片目司令官:大塚芳忠
東の砦将:三宅健太
副官:羽多野渉
夢魔鶫:白石冬美
南氷将軍:白熊寛嗣
士官:戸北宗寛
王国軍中佐:徳本英一郎
伝令:藤吉浩二
遠征軍士官A:田中雅之
遠征軍士官B:株田裕介
遠征軍士官C:藤沼建人
羽妖精A:内田真礼
羽妖精B:水原 薫
将官:安元洋貴
遠征軍士官D:上田燿司
魔族奴隷:永田依子
司教:麦人
軍閥貴族:土師孝也
富裕貴族:塩屋浩三


語り部:永井一郎

あいかわらずブレーキが壊れたとしか思えないキャスティング。このメンバーのドラマCDを600円でつけるというのが壊れています。一部では、スタッフや声優さんを集めるために黒魔術が使用されていると噂になるほど。主に橙乃周辺でですが。
今回の名言は「せっかく作ったんだから、多くのユーザーの皆さんに届けたい。そのためにはみんなが買っていける値段じゃないとダメなんだ!」――と値段決定責任者である編集長のお言葉です。橙乃はお世話になってばっかりです。

特に今回、敵役を努めてくださる方たちにそうそうたる名前が! ドキドキしております。
その他、まおゆうの中国語版なんかも動いたようです。いろんな人とつながって動いているプロジェクトです。みなさんに元にお届ける出来るように頑張ります(≧▽≦)