2011年8月24日水曜日

エンブレ日記


橙乃は「まおゆう」も「ログホラ」もエンターブレイン、ホビー書籍部様から出していただいているわけですが、今日はその辺を日記に書きます。
御存知の通り「まおゆう」はWeb発祥のテキスト。桝田さんの紹介により、エンターブレイン、ホビー書籍部様に拾って頂きました。
このホビー書籍部、なんか不思議な本をいっぱい出しているのです。
「まおゆう」、「ログホラ」もそうですが、只今絶賛発売中、人気爆発の「中国嫁日記」なんかも、ホビー書籍部です。かといって、ネットのテキストを書籍にする専門部隊かというとそれも違って、TRPGのルールブックやサプリなんかもたくさん出していらっしゃる部署でもあるわけです。

「ログホラはなんで文庫でやらなかったの?」なんて聞かれます。たしかに文庫でやって今より、400円安くしたら入り口が広がるというのはあったかと思います。と、同時に文庫でやったらいまの「ログホラ」ほどこった本にはならなかっただろう、とも思うんですね。
文庫、特にライトノベルの文庫というのは、フォーマットが強力な種類のメディアですから、表紙の紙質も、ツルンとした紙で、当然4色フルカラー、中央に女の子配置というデザインになったかと思います。内部も章扉であそこまでこった遊びはやれなかったでしょう。挿絵の点数も大幅に減って、付録っぽいページもずいぶん減ったかと思います(というか、用語集をつけるのが精一杯かな)。
専用サイトでの告知なんかも難しくなり、そのかわりレーベルのサイトで画像情報を絡めたパブリッシングになったでしょう。
「ログホラ」は担当F田様の尽力があり、今のような「持ってるのがなんとなく嬉しい本」になっていると思います。これはこれでひとつのスタイルかと。それは「まおゆう」も一緒ですね。

さて、そんなホビー書籍部は、お付き合いさせていただくと不思議な部署です。
奇妙で面白い本をいっぱい作ってる。
新海さんの映像を文章化した秒速5センチメートル one more sideなんかも良い本です(装丁が素敵なんだな)。

今日編集部でみせてもらったのは、これ。常岡さん、人質になる。
アフガニスタンで人質になった常岡さんとその周辺を、マンガとエッセイで綴った本です。っていうか、おめぇテロリストの人質になって半年拘留されてたことを、ギャグマンガにするってどういうネタだよと突っ込んじゃうんですが、読んでみるとなるほどと納得できる。
これ、わりとすごい本です。店頭でちょっと手にとって見て欲しい。
Twitterなどが登場して、おいらたちは世界のニュースをどんどんダイレクトに感じ取れるようになってきているけれど、そのニュースを解釈するためのさまざまなエンジンを、まだそこまでは装備できていないわけです。それをマンガですこーんと同時インストールしてしまうという荒業。たしかに帯にあるとおり、これはジャーナリズムの新しい武器かもしれない。
「わかりやすくあること」をなんだか拒否しているようにさえ見える日本のマスコミと比した時の、圧倒的な軽やかさと、飄々とした感じが心地いい一冊でした。

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